今年度、兵庫県自動車青年会議所(以下:JMC)は様々な事業の一つとして、昨年7月11日に実施した第1回合同例会において経営者研修「事業計画書の作成方法」を行いました。
今月号は、この研修についてのレポートを掲載致します。
この研修は、「自動車整備業界を取り巻く環境が著しく変化をしている中で、周りの環境に左右されず目指す方向へ着実に進む為には何が必要か?会社を存続させる為の有効な手段の一つとして、実行するための事業計画書の作成を目的とする」と定めて実施し、日本政策金融公庫 神戸支店 中小企業事業 融資課長 及川功一様に講演いただきました。
研修の狙いとしましては、
① 自社のありたい姿の構想、現状とのギャップを認識し、そのための課題を明確にする
② 経営理念・経営ビジョンの達成・実現に向けて、経営目標・経営計画の策定方法を理解し、実際に策定する
③ 経営計画の目標達成へ向けて、アクションプランの策定方法、プロセス管理の方法を理解し、実際に策定する
④ 経営計画への取り組みを通じて、社内において「経営計画の策定(Plan)―実践(Do)―進捗管理(Check)―改善活動(Action)」のPDCAサイクルを回す仕組みの構築を目指す
の4項目となります。
具体的には、まず経営トップに求められることとして経営理念(何のためにこの事業を営んでいるのか)を承継させ伝えていくことやトップマネジメント(経営理念や経営目標・計画の達成遂行のための進捗統制を行うこと)並びにコンセプチュアルスキル(総合判断能力=課題形成能力)が挙げられます。
次に、環境変化への対応すなわち経済的領域や政治的領域、人口動態・労働領域、消費構造領域、技術・テクノロジー領域、資源的領域といった環境要因に目を配り、これらの変化が自社にどのような影響を与えるかを想像しチャンスの発掘やリスクへの備えを行うことが企業を永続させるのに重要なカギとなります。
次にビジョン策定です。ビジョンとは未来像であり、「将来において、企業としてこうありたいと思う姿」を示したもので経営理念が企業の存在意義を示すものに対し、ビジョンは従業員が到達したいと願う「目指す姿」を示しています。
また、ビジョンは経営理念と一貫性があり1.イメージ像 2.事業ビジョン 3.経営機能ビジョン 4.経営資源ビジョン 5.中長期経営目標で構成されます。
策定にあたっては、ドメイン(1.誰に2.何を3.どのように、提供するか)コア・コンピタンス(顧客に対して価値を提供する際、他社に真似できない当社ならではの中核的な力)10年後のポジション・業界地位(10年後、自社は業界内でどのような存在でありたいか?)といったことや経営目標(数値目標)の設定を基にしてビジョンを策定していきます。そして、計画の実効性を高めるためのアクションプランとモニタリングが必要になってきます。取組み事項の具体化、取組み事項の数値化=達成水準の明示、取組み責任者とスケジュールの明示、モニタリング(定期的に計画と実績の差異を分析すること)を行うことです。その上で戦略の策定を行っていきます。
事業戦略は、1.競合戦略 2.得意先戦略 3.仕入先戦略に分かれそれぞれに策定していきます。
最後に組織運営です。組織風土(企業特有の価値観や「空気」)、モチベーションを大切にした上で20年先・30年先を見据えた企業継続のための経営を行っていくことが必要となってきます。
第1回目の研修では前述した内容の研修でしたが、第2回目では実現するための第1歩である「事業計画書」を実際に作成します。
実施日の日程上、レポートを掲載できないのが非常に残念ですが、我々JMCはメンバー個々の会社並びに関連会社の発展がやがては自動車整備業界の発展にも繋がると信じて活動しています。我々と共に永続的な発展を目指していくメンバーの参加をお待ちしています。
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