兵庫県自動車青年会議所 理事長
岡部 聡
新年おめでとうございます。
本年度自動車青年会議所は昨年に引き続き当会議所のためだけではなく、自動車業界のために事業を企画運営して参りました。業界の発展なしに個社の発展は難しいと考えています。
昨年は2014年問題で車検台数の減少が予測されていました。予測通り車検台数の減少で売上に影響があった事業所も多く有ったと聞いております。様々な情報の中から今後起こり得る問題点を見付け出し、それを解 決していかなければなりません。
問題が起こってから対処していては遅いのではないでしょうか。
今後自動車 業界で起こり得る問題点として代表的な事は「自動車整備士の減少」と「事業承継」です。自動車整備士にな るための学校の生徒が半減している事は国土交通省も認知している事実です。
多くの事業所でスタッフの高齢化が起こっているのではないのでしょうか。若手の整備士の確保は現在でも厳しい状態になりつつ有ります。
そして事業承継はいかがでしょう。これについては昨年振興会と共催でセミナーを開催いたしました。経営者 にとって避けては通れない道で、知らないと会社の存続が危うくなる事も有るそうです。問題点に気付く事が
経営の第一歩でそれに気付ける人を自動車青年会議所は育成しています。また振興会会員の皆様のご指導ご 鞭撻を頂きながら、今年も勉強し事業を進めていきたいと思います。
それでは皆様のご健康とご多幸を祈念いたしまして本年の挨拶とさせていただきます。
2014年11月8日(金)ホテル日航大阪にて第39回近畿地区自動車青年協議会・合同例会開催されました。
近畿地区自動車青年協議会(近青協)は、大阪府、京都府、滋賀県、兵庫県の各自動車青年会議所のメンバーで構成され、年に一度、結成月の11月に合同例会が行われます。
本年度は大阪自動車青年会議所が幹事クラブとなり「温故知新」~今こそ変態の時~をテーマに開催されました。
第1部講演会では宮本清氏を講師に迎え「サーキットに育まれる開発魂」の内容にてご講演いただきました。
宮本清氏はホンダエンジンの技術者で「メカ燃料噴射装置の開発」「CVCCエンジンの開発」を経て、1983年ホンダF1復帰のプロジェクトリーダーとなりウイリアムズ・ホンダとして1987年までに24勝、1988年からはマクラーレン・ホンダで41勝し日本にF1ブームを巻き起こした一人であります。
F1開幕からマクラーレン・ホンダの黄金時代そして現在までの経緯や、開発チームでの苦労話、2015年の予想など、開発現場の実体験を講演いただき「F1はわずか2時間の勝負で結果を出さないといけない。皆さんの会社も自分で決めた期間で結果を出す。
決めた目標を達成するにはプロジェクトのチームワークが肝心である。」と実例を挙げたわかりやすい講演をしていただきました。
第2部式典は大阪自動車青年会議所会長 吉田伸次君の挨拶に始まり、各クラブ、関係団体の活動報告の後、自動車技術安全部部長 酒井雅彦様 (一社)大阪府自動車整備振興会会長 山本昇様 元国土交通大臣 前衆議院議員 吉田おさむ様に祝辞をいただきました。
吉田会長は「近年の自動車業界を取り巻く環境や税制問題、若者の自動車離れ、整備士の不足など問題はたくさんありますが、自動車業界はまだまだ可能性のある業界です」と挨拶され、緊張した面持ちからは今回の合同例会への意気込みが感じられました。
第3部懇親会は大阪市内が一望できとても夜景が美しい32階のスカイテラスに移動し、大阪府自動車整備商工組合理事長 玉置清様の乾杯の発声で開宴されました。
プロミュージシャン・ラックダックによるギターデュオを聞きながら終始和やかなムードで懇親を深め、緊張していた幹事クラブのメンバーからも笑顔が見られる有意義な懇親会になりました。最後に大阪自動車青年会議所から次年度幹事クラブの京都自動車青年会議所へ近青協旗が渡され閉宴しました。
11月18日14時より兵庫県自動車整備会館にて振興会会員の方々を対象とした「事業承継セミナー」を(一社)兵庫県自動車整備振興会・兵庫県自動車青年会議所(JMC)の共催事業として中小企業診断士の田坂和彦氏を講師にお招きし開催しました。
次世代に事業承継するにあたりそれを困難にさせている理由とは何か、より円滑に進めるために、資産・財産・自社株などの「物的な承継」と経営ノウハウ・人脈・組織などの「物的以外の承継」に分け、現状把握から今後問題になりそうなことを取り上げました。
何をどのように準備しておく必要があるかの、「物的な承継」では相続時に起こり得る問題点が取り上げられ、それらの有効な対策としては遺言書や生前贈与などの活用があり、「物的以外の承継」では金融機関との折衝や数値管理能力などの資質や能力を習得することが重要であり、具体例を挙げながら説明して頂きました。
「物的以外の継承」は「物的な承継」よりも時間がかかるため余裕を持って取り組むために継承計画のワークシートの作成なども行いました。このセミナーを受講されてこれから事業承継を進めていく事業所にとってはノウハウだけでなく覚悟を決め、確実に進めていく為に事業承継計画を作成するなど計画的に取り組むことができると思います。
既に承継している事業所も今まで経験してきた事の復習で共感する部分が数多くあり、事前に学ぶことができていたならもっとスムーズに進めることができたのに、と思う事も数多くあったと思います。
事業承継は企業が存続する限り必要です。そのような意味においても全事業所で有意義なセミナーだったと思 います。 JMCのメンバーに関しては既に事業承継が完了している事業所、現在進行形の事業所、これから進めなければならない事業所と全てのケースを抱えています。
事業承継を進めるにあたり、問題があれば相談ができ、実体験に基づいたアドバイスを受けることができる存在が身近にいる事も大変重要だと思いました。
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